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【ネタバレ】『わたナギ』はすり減った自己肯定感の回復薬

発行元:テレビドガッチ | 登録日時:2020年7月23日 19:53

「できるところだけじゃなくて、できないところも見てあげてください」

そんなナギサさん(大森南朋)の言葉にどれだけの人が救われただろう。回を重ねるごとに、優しい世界で視聴者の心を癒している『私の家政夫ナギサさん』(TBS系/毎週火曜22:00〜)。第3話は、悲しいニュースが続くこの時期だからこそ、何か胸に沁みるものがあった。

家事は、人の命と健康を守る尊い仕事

「やればできる」という母親の期待にずっと応え続けてきたメイ(多部未華子)。母親が叶えられなかった、仕事と家事が両立できる女性になるという希望を背負って、夜遅くまで仕事に励み、家に帰ってからも炊事や掃除を頑張り、自宅での勉強も欠かさなかった。

だけど、人にはそれぞれキャパがある。ひとりの人間が持てる荷物の総量なんて限られている。睡眠不足と過労がメイはたたってダウン。そんなメイにナギサさんは言ってくれた。「どんなに頑張っても、倒れてしまっては元も子もありません」と。

もちろん頑張る人は応援してあげたい。人間、ここぞという踏ん張りどきはあるし、そういういろんな人たちの頑張りのおかげで世の中は回っている。だから、頑張っている人に安易に「頑張らなくてもいいんだよ」とは言いたくない。それは、勝手な思想の押し付けだから。

だけど、本当に疲れたとき、息がつまりそうになったとき、休んでいいんだよ、自分の体をいちばんに大切にしてあげてね、と言ってくれる人が周りにいるかどうかで、その人の人生が大きく変わってしまうこともある。今、たくさんの人がナギサさんに安らぎを見出しているのは、頑張る自分をちゃんと認めた上で、休むことの重要性を教えてくれるから。

そう考えると、家事というのは改めて尊い仕事なんだと思う。栄養のバランスがとれた食事をとること。清潔な部屋で過ごすこと。丁寧にアイロンのかけられたシャツに袖を通すこと。それだけでクタクタの心が生き返ることは絶対にある。すり減った自己肯定感が回復することもある。家事は、人の命と健康を守る仕事であり、それに従事する人たちの支えによって私たちは今日も頑張れるんだということを、ナギサさんを見ていると強く感じる。

晴れて契約を結び、メイの家に通うことになったナギサさん。夜、仕事を終えて、家に帰ったとき、灯りがついて嬉しそうな顔をするメイを見て、なぜだかわからず泣いてしまった。

誰かが自分の帰りを待ってくれているってこんなにいとおしい気持ちになるんだということを、親元を離れてもう15年を過ぎると、すっかり忘れてしまっていた。子どもの頃、さんざん遊び疲れて家に帰ると、台所で夕食の支度をしているお母さんが迎えてくれた。あの頃はそれが当たり前すぎて何にも気づかなかったけど、本当はそれってすごく特別なことなのだ。

その人の健康のことを考え、食材を選び、献立を考えること。おいしいと喜んでくれる顔を思い浮かべて味を調えること。食事をつくるという行為自体が特別な愛情表現だし、だからこそ誰かにつくってもらった料理は、自分でつくった料理の何倍もおいしい。そんな日常の奇跡をしみじみと感じさせてくれるから、私たちは『私の家政夫ナギサさん』のことをどんどん好きになっている。

いよいよラブコメ要素もヒートアップ?

少しいびつだった母・美登里(草刈民代)との関係も修復の兆しが見られた。ずっと「やればできる」と期待を押しつけていた美登里は「できるところだけじゃなくて、できないところも見てあげてください」というナギサさんの言葉に何かを教えてもらったように、自分と似て家事が苦手なメイを受け入れはじめる。

ただ、まだ美登里が呪縛から解放されたわけではない。美登里の中に巣食う「思い通りに生きられなかった」という後悔の根源を辿ると、そこにあるのは夫の存在。次回から、メイの父・茂(光石研)も登場するようだけど、はたしてどんなキャラクターなのだろうか。仕事がしたいという妻の希望を、家にいてほしいという自分の願望で潰してしまったことに自覚があるのか否か。この夫婦の問題についてどこまで描いていくのかで、作品の深度が変わりそうだ。

そして、今回のサプライズはまさかの肥後(宮尾俊太郎)が恋愛バトルに参戦してきたこと。てっきりナギサさんと田所(瀬戸康史)と三角関係だと思っていたので、思わぬ伏兵の登場に笑ってしまった。失礼ながら完全なるかませ犬であることは間違いなさそうだけど、いいキャラクターをしている。宮尾といえばKバレエ カンパニーが誇るプリンシパル。同じバレエダンサーとして、『ルパンの娘』(2019年、フジテレビ系)の円城寺さん(大貫勇輔)くらい突き抜けてくれても大歓迎です。

恋愛模様で言えば、第1話から一貫してずっといい人な田所も謎だ。どうしても裏があると邪推してしまうのだけど、田所は本当にただのいい人なんだろうか。メイにも興味と好意を持っているようだが、その理由も今のところは不明。メイ自身はまだ田所に対して恋愛感情を持っているようには見えないけれど、いずれふたりが恋愛関係に発展することはあるのだろうか。

田所は原作にはないキャラクター。そのため、メイとナギサさんの関係にどれくらい田所が割り込んでくるのかは未知数だ。原作通りに進んでもいいけれど、そこはせっかくの瀬戸康史。面白く引っかき回してほしいところ。ようやく隣に住んでいることが田所にバレて、ラブコメの舞台は整った。ナギサさんに対する"オジキュン"と田所に対する"イケキュン"で、火曜の夜をドキドキさせてほしい。

(文・横川良明/イラスト・まつもとりえこ)

【第4話(7月28日[火]放送)あらすじ】
意気揚々と玄関の扉を開けたメイ(多部未華子)は、目の前に田所(瀬戸康史)を発見。ついに、田所に自分が隣に住んでいることがバレてしまう。しかも田所は「男性とお住まいなんですか?」と屈託なくメイに一撃を・・・。ナギサさん(大森南朋)を雇っていることを絶対に知られたくないメイは、それは父だと必死にごまかす。そして二人が隣に住んでいることは「ヒミツ」にしようと提案。メイと田所は二人だけの「ヒミツ」を共有をすることに・・・。
ある晩、メイの父・茂(光石研)がメイの部屋にやって来た。美登里(草刈民代)からナギサさんの話を聞いていた茂は、ナギサさんに興味津々。人懐っこくナギサに酒をすすめ、メイには決して語らなかったナギサのプライベートが明らかに!?
一方、医師の肥後(宮尾俊太郎)はメイに猛アプローチ。メイは誘いを断れず遥人(眞栄田郷敦)を伴い、懇親会という名のデートをすることに。するとそこへ、田所と薫(高橋メアリージュン)がやって来た。まさかのデートの鉢合わせに、メイは混乱!さらに肥後が思わぬ行動に出て、事態は思わぬ方向へ・・・!?

◆番組情報
『私の家政夫ナギサさん』
毎週火曜22:00からTBS系で放送
地上波放送後に動画配信サービス「Paravi(パラビ)」でも配信。
また、パラビオリジナルストーリー『私の部下のハルトくん』も独占配信中だ。

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